褒める達人のテク

【上手に褒めるテクニックとは】
「本当にいい色ですね、探してもなかなか無い青ですよね。」
仕事仲間と銀座に繰り出し、ほろ酔い気分で駅にむかった私の背中に、さらに幸せになるようなさりげないコメントが降ってきました。
褒める…人は褒められるとうれしい気持ちになり、たとえそれがご機嫌を取るものだったとしても悪い気はしないものです。私が褒められたのは、その日着ていた青のパンツ。真っ青な空色で、夏らしい、さわやかな色合いが気に入って今のシーズンに購入したものでした。
その人はほめるのが本当に上手で、青のパンツをほめてくれる前には、お店のお料理がおいしいと褒め、飲み物の注文ではアプリを利用するシステムが便利だと褒め、一緒に話していた男性の話が面白いと褒めるなど、まさに褒める達人でした。
すべてさりげなく言葉が出てくる上に、表現力が豊かで、一緒にいる時間がとても楽しく、また会いたくなるのです。言葉が巧みだとか、話が上手だとかという理由ではないその誉め方に魅了された私は、ちょっと分析してみたくなりました。何が素晴らしいのか・・・それは何の技術も必要ない当たり前のことでした。

【心をくすぐる3つのテク】
褒める言葉は「すごい」「すばらしい」「素敵」などの形容詞、形容動詞が一般的です。これに感嘆詞をつけ、「うわー」「ええっ」「なんと」などと組み合わせると、驚きを加えることが出来より気持ちが伝わることでしょう。ただ、それだけでは若者言葉として批判的に言われている「やばい」と同様で変化がありません。また、お世辞と受け取られても仕方がない面があります。そこで褒める達人はどうしているのか思い出すと・・・
その人は、私がスカートよりパンツ派であることを知っています。会話の中で、「機能的ではきやすく、足が長く見えるものはないか」と私がお店をあちこち探した話しも覚えていました。また、私はカラーアナリストに似合う色を見てもらったことも、以前達人に話していました。その情報を達人は話に盛り込んでいたのです。「パリッと見える質感も好きだし、長時間座ってもシワにならないし、はきやすそう!でも、何しろその青色が探しても出会えない青!いいですね。いい買い物ですよ、柿崎さん」とおっしゃったのです。どこがどう良いのか具体的に盛り込んで、繰り返し、繰り返し、色がよいとコメントし、最後に私の行動を褒める。なんというテクニックでしょうか。最後に名前を挿入してくるなんて、誰が買い物上手なのかは「柿崎さん」と謳っているすごさに感服しました。
具体性、繰り返し、そのための情報収集がいかに大事なテクニックかおわかいただけましたでしょうか。

【ポジティブさは盛る】
次に表現力の部分なのですが、みなさんアイスクリームを食べていて、「おいしい」「つめたい」などの言葉をどう発していますか。抑揚をつけて話していますか? 棒読みと言われる同じ高さの音のまま「おいしい」とだけつぶやいていませんか。つまり言いたいのは舞台俳優のように大げさに「おいしーいねー」と心から言っているかという点です。字で表現するのはむずかしいのですが、一音一音の上げ下げを、そんなに上げるの? そんなに下げるの?というほど大げさに行なうことが出来れば優秀です。達人は声のトーンやハリを変えて、ウラ声と地声を使い分けるなど、声の種類さえ駆使して話していました。
例えて言うなら女性は感情を乗せて声に高低をつけるのはたやすいと言われています。しかし男性はプライドが邪魔をしたり、感情を乗せるのが苦手であることも多く、極端に変化させずに言葉を表します。「淡々と言う」とでもいいましょうか。
ですから、私のお勧めはポジティブな気持ちを表現するときは「盛る」。少し大げさかなと感じるぐらいがちょうどよいかもしれません。これはぜひ試してみてください。もしポジティブな気持ちを盛って「どうしたの?」と言われても、「いや、本当にそう思うので大げさに表現してみました」と言えば、コミュニケーション上でおかしくはありません。

【笑顔の筋トレを】
そして最後に笑顔です。先日ある経営者に笑い方を教えてほしいと言われてレッスンしました。笑い方がぎこちなくなってしまい、うまく笑えないというのです。おもしろいと感じれば笑えるでしょう?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、写真を撮る際はよい笑顔を作ろうとして意識しすぎてしまうのだと思います。口を開けないようにした方がいいだろうか、目が三日月過ぎて細くなっていないだろうか、あごが上がっていないだろうかなど心配なことは多いのです。私も運転免許の写真を撮った時には考えすぎて変になってしまいました。これが5年続くなんて憂鬱です。話しがそれましたが、レッスンを受けた方はびっくりするぐらい表情筋が動かず、マッサージしつつ動かさねばなりませんでした。ご自分では動かしているつもりでもピクリとも動かなかったのでこれは固まっているなと判断させていただきました。人間の筋肉は使わないと衰えていきます。ぜひ意識的に目のすぐ下、ほお骨の上の筋肉を動かして笑うようにしたいものです。

よく笑い、日ごろのうっぷん(?)を吐き出した私たちは、翌日さっぱりした顔で出勤したことは言うまでもありません。(了)

関連記事

  1. 想像力を失わせないために

  2. 聞こえているはず・・・は危険です

  3. 表現とあいまいさ

  4. ガイドに見る惹きつけの法則

  5. どこを見て話すか。それは大問題です

  6. 原稿をうまく「話す」コツ

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP